鵺と呼ばれる怪物や猿たちが大暴れする愉快な演目です。登場人物たちが会場を所狭しと走り回り、大いに盛り上がるので、夏祭りなどで人気の高い神楽です。

【登場人物】
・主人公:源頼政(みなもとのよりまさ)
・姫:楓姫(かえでひめ)
・猪乃早太(いのはやた)
・鬼:鵺(ぬえ)

【あらすじ】
 平安時代中期、丑の刻になると一団の黒雲が御所を覆い、時の帝・堀河天皇は決まってうなされるということが毎夜続いた。重臣たちは帝の心をお慰めしようと大酒宴を催そうと考え、その準備を楓姫に命じる。楓姫は都より料理の名人・猪乃早太を呼び出し、料理を作らせた。
 しかしその最中、御殿に怪物が現れ、早太を襲おうとしたが、楓姫によって追い払われる。怪物は住処である東三条ヶ森(ひがしさんじょうがもり)へと逃げ帰った。その怪物は、頭は猿で胴は牛の如く、手足は虎に似て、尾は大蛇の姿であり、「鵺(ぬえ)」と呼ばれる。
 帝より鵺退治の勅命を受けた弓の達人・源頼政は、楓姫とともに東三条ヶ森へ赴き、日ごろより祈願する弓矢八幡の御神徳をいただき、見事に退治する。