芸北神楽が「広島神楽」とよばれるきっかけとなった中川戸神楽団の歴史的創作神楽です。歴史上有名な「大化の改新」前夜、「乙巳の変(いっしのへん)」の蘇我一族暗殺事件を題材にしており、花火やブラックライト、フラッシュなどを多用した芸術性の高い演目です。

【登場人物】
・主人公:中大兄皇子(なかのおおえのおおじ)、中臣鎌足(なかとみのかまたり)
・鬼:蘇我入鹿(そがのいるか)、郎女(いらつめ)

【あらすじ】
 飛鳥時代後半、大和朝廷をめぐる豪族同士の権力争いは激しさを増し、中でも物部氏を滅ぼした蘇我一族の権勢は、朝廷を超える勢いを持ちはじめていた。蘇我入鹿は「我こそ飛鳥の主」と豪語し、聖徳太子一族なき後は横暴を極め、ついには天皇の地位を脅かすまでになります。
 中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後に藤原鎌足)は、謀り事をめぐらせ入鹿を大極殿・板蓋宮(いたぶきのみや)へ閉じ込める。しかし、入鹿は郎女(手下)に救い出され、改めて中大兄皇子・中臣鎌足と入鹿の決戦がはじまった。激闘の末に入鹿の首を地に落とすが、首は血潮をあげて跳ね上り、御簾(ぎょれん)に食いついたという。