古くから石見地方、芸北地方で親しまれてきた舞です。疫病退散の願いを込めて神社で奉納されることが多い演目です。

【登場人物】
・主人公:鍾馗(しょうき)=素戔嗚尊 (すさのおのみこと)
・鬼:疫病の悪鬼

【あらすじ】
 鐘馗は、中国や日本に伝わる魔除けの神様。唐の時代、終南山(しゅうなんざん)のほとりに住んでいた鐘馗という青年が、国家官僚試験(科挙)に落第して憤死したが、死後に及第の栄誉を受ける。感激したその霊は朝廷の守護神となり、いつしか疫病祓いの神として祀られるようになった。
 神楽では、鐘馗は素戔嗚尊 の化身として登場する。民の命を絶やそうと企む異国の疫病の悪鬼が鐘馗大神 (しょうきだいしん) を名乗って現れるが、奮闘の末に素戔嗚尊が退治する。素戔嗚尊が左手に持つ丸い輪は、悪病の祓いに用いる芽の輪。これで姿なき鬼神をとらえ、戦いの末、右手の剣で征伐する。