悪狐伝三編の最後の演目です。
前半の飛脚のコミカルな演技と後半の和尚と悪狐との激闘が対照的な面白く見ごたえのある演目です。

【登場人物】
・主人公:玄翁和尚(げんのうおしょう)
・悪狐:九尾の狐(きゅうびのきつね)

【あらすじ】
 大陸から日本に渡り来て悪事をはたらいていた九尾の狐であったが、ついに上総之介(かずさのすけ)、三浦之介(みうらのすけ)という2人の弓名人に那須野原(なすのがはら)で討たれてしまう。
 しかし、悪狐の怨念が固まって、触れるものすべてを殺してしまう殺生石(せっしょうせき)になり、再び万民に災いをかける。そこで玄翁和尚が法華経の功徳と法の槌によって殺生石を打ち砕いて全国に飛び散らせ、怨念を封じる。

【補足】
 令和5年3月5日に殺生石が真っ二つに割れているのが発見された。(栃木県那須郡那須町)