日本神話で有名な八岐大蛇を題材にした舞です。6~8頭の大蛇による大迫力の演出が見どころで、古くから石見地方や芸北地方で親しまれてきた演目です。

【登場人物】
・主人公:素戔嗚尊(すさのおのみこと)
・老夫婦:足名椎(あしなづち)、手名椎(てなづち)
・姫:櫛名田姫(くしなだひめ)
・八岐大蛇(やまたのおろち)

【あらすじ】
 神代の時代、高天原(たかまがはら)を追放された素戔嗚尊は出雲国の肥河(ひのかわ)の上流にある鳥髪(とりかみ)という地にやってきた。
 河の上流から箸が流れて来たので行ってみると、足名椎、手名椎というの夫婦が泣いていた。話を聞くと毎年「八岐大蛇」という化け物がやって来て、娘を一人ずつ食べてしまい、とうとう櫛名田姫ひとりになってしまったとのこと。そこで素戔嗚尊は一計を案じて夫婦に強い酒を作らせ、これを飲んだ大蛇が酔ったところを退治する。
 退治した大蛇の尾を切ったところ、見事な剣がでてきたので「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)※三種の神器のひとつ」と名付け、天照大神(あまてらすおおみかみ)に奉納する。